マランツの象徴
時代にはそれぞれ、他の時代とは一線を画す独自の精神や文化的風土があると言われています。
マランツのファンは、1970年代をマランツの伝統にとって最も重要な10年間の1つとして挙げていますが、それには十分な理由があります。それは、絶え間ない革新と、常に限界を押し広げる積極的な取り組みです。
「その内部と外部の構造の精度と堅牢性は、ひと目見れば明らかです。それこそが、所有者に最高の信頼性を保証するクオリティです。Model 9アンプを2台使用すれば、至高のステレオパフォーマンスを堪能することができます」。
その結果が、精巧な作りのマランツModel TT1000です。
そのプロトタイプは、1979年秋に日本各地で開催されたオーディオショーに出品され、たちまち人々の注目を集めました。
プラスチックが主流であった時代に、ガラスを使用したModel TT1000は世界的に見ても際立った存在でした。ぶ厚いガラスを用いたデザインは、考え抜かれた数々の機能と秀逸なオーディオ性能と共に、このターンテーブルをオーディオファイルコレクターやデザイン愛好家にとっての必須アイテムにしました。
あるオーディオ評論家が「日本製ターンテーブルの卓越性の典型例」と表したModel TT1000の台座は、厚さ8mmのアルミ合金中間層を2枚の15mmガラスプレートではさんだ、38mm厚の重厚なラミネート板によって構成されています。
// 今日の基準に照らしてみても、マランツTT1000は伝統にのっとった最もシンプルで魅力的、かつ入念に設計されたターンテーブルの1つです。//–Vintagesonic.com
もう1つのデザイン上の特徴として、TT1000にはアームとカートリッジがなく、購入した人は自分で選んだパーツを取り付けることで、リスニング体験をカスタマイズできることです。
ターンテーブルを回転させるモーターの電源は、ターンテーブルから独立して、その横に置かれた、木と金属で作られた大きなキャビネットの中に収められていて、ハムの発生を防いでいます。
ゴムの代わりに、ターンテーブルには5mm(0.20インチ)のスリップマットが使われています。安定性をさらに高めるために、TT1000の脚には空圧式サスペンションが組み込まれていて、スキップ(音飛び)を防ぎます。モーターは電気機械式ブレーキを備えているため、レコードの回転が止まるのを待たずに再生速度をすばやく変更することができます。
タイムトラベルで 1980年代初頭に戻って、ハリウッドの豪邸やニューヨークの超高級ペントハウスを巡ることができたら、数多くのオーディオシステムに組み込まれたTT1000を目にすることでしょう。
多くの高名な所有者やファンがいたにもかかわらず、TT1000は商業的には大きな成功を収めることができませんでした。やがて歳月の経過と共に、このターンテーブルの豊潤で音楽的なサウンドに気付くオーディオファイルが増えていきました。
「力強くて頼もしく、安心感をもたらす」と評されたそのサウンドが、象徴的なデザインと相まって、TT1000を世界中のコレクター垂涎の1台へと昇華させたのです。
フローティングモーター、外付けベルトドライブ、オーディオ愛好家を満足させるクオリティのサウンド、息を飲むほどミニマルなデザインの最新型マランツTT-15S1は、そのTT1000の後継としてふさわしい性能を備えています。
威風堂々としたTT-15S1の詳細をご確認ください。.